『夢幻花』東野圭吾
こんにちは、ふらっとです。
今回は東野圭吾著『夢幻花』のあらすじ・感想をまとめています。
あらすじ
花を愛でながら余生を送っていた老人・秋山周治が殺された。第一発見者の孫娘・梨乃は、祖父の庭から消えた黄色い花の鉢植えが気になり、ブログにアップするとともに、この花が縁で知り合った大学院生・蒼太と真相解明に乗り出す。一方、西荻窪署の刑事・早瀬も、別の思いを胸に事件を追っていた…。宿命を背負った者たちの人間ドラマが展開していく"東野ミステリの真骨頂"。第二十六回柴田錬三郎賞受賞作。
感想
まず、ストーリー展開について。
登場人物はそこまで多くなく、難しい専門用語もほとんど使われていないため読みやすいです。
いくつかの異なる時系列の出来事が描かれ、やがてそれらが「夢幻花」を通してつながっていきます。「どうつながるのか?」と考察しながら読み進めましたが、結局当てられず(笑)。終盤で真相が解明され、「なるほど、こうつながるのか!」とすっきりしました。
個人的には主人公・蒼太の兄である要介が好きですね。重大な秘密を握っていて、あからさまに怪しい動きを見せます。殺人事件の真相を探る刑事・早瀬と取引するシーンがあるのですが、要介の「只者じゃない感」が良い感じに描かれていて、ぐっと引き込まれました。
次に、物語のテーマについて。
「世の中には負の遺産というのがある。それを誰かが引き受けなきゃならないんだよ」
あらすじにも書かれているように「宿命」が大きなテーマとなっています。
主人公の2人はそれぞれ自分の進むべき道について悩みを抱えています。蒼太は大学院で原発について学んでいますが、世の中的にマイナスイメージが強い原発の仕事を選ぶべきかどうか。梨乃はオリンピック候補になるほど水泳の才能がありますが、とあるきっかけで今は水泳を辞めています。
事件の真相を解明していく中での様々な人物との出会いを通じて、2人が何を感じ、どのような決断を下すのかが見所の一つです。
自分の生まれた環境、置かれた場所、生まれ持った才能はある程度決まっており、時に周りに嫉妬し誤った道に進んでしまいそうになることもあります。しかし、あるがままの自分を受け入れ、前を向いて自分の決めた道を進んで行こう。そう思わせてくれる作品です。
ぜひ手にとって読んでみてはいかがでしょうか。